防振・衝撃対策
--- 輸送中の振動とは ---
トラック輸送、鉄道輸送、船舶輸送、航空輸送中に起きる高周波の振動。
輸送中の高周波とは何Hz以上という定義はないが、一般的に20Hz(1Hz=1秒間に1回の振動が起こることをいう)以上とし、
この高周波はトラックのエアサス車では取り除くことができない。高周波が製品に及ぼす主な箇所は、基盤の半田割れ、プラグ接触不良、
配管の接合部分の亀裂、ボルトナットの緩みなど多数に悪影響を与えている。
--- 振動・衝撃比較実験 ---
■エーテル系発泡ポリウレタン防振材と発泡ポリエチレン・防振ゴム・発泡スチロールなどの緩衝材との比較。
--- 輸送中の振動と衝撃のシーン ---
■製品は右のスライドの様に様々な輸送シーンで振動や衝撃を受ける
・トラック輸送中における道路陥没や段差。
・製品を積み込む時の荷役中衝撃。
・鉄道輸送中の連結線路の切り替え部や接合部。
・航空輸送中の着陸時・積み込み。
・コンテナヤードでのフォークリフト荷役。
・梱包工場での荷役。
--- 輸送中の振動や衝撃での破損事例 ---
--- トラック荷台の振動 ---
■ エアサス車でも制御できない振動
約1tあるエンジンが絶えず振動しフレームに伝わることで荷台に影響を受ける。シャーシサスペンションでは路面から伝わる振動や衝撃は制御できるが、エンジンから荷台へ伝わってくる高周波の振動は制御できない。
--- 防振パレット ---
■スチール製防振パレットの特長
・トラックエアサス車より優れた防振環境を実現。
・防振材には防振性、耐久性に優れたエーテル系発泡ポリウレタンを使用。
・製品重量に合わせて適切な緩衝材を選び防振効果を常に良好に保つ。
・様々な製品サイズに合わせた特注サイズ生産が可能。
・耐久性に優れている。
■木製防振パレットの特長
・トラックエアサス車より優れた防振環境を実現。
・防振材には防振性、耐久性に優れたエーテル系発泡ポリウレタンを使用。
・製品重量に合わせて適切な緩衝材を選び防振効果を常に良好に保つ。
・様々な製品サイズに合わせた特注サイズ生産が可能。
・価格が安いのでワンウェイに適している。
※防振パレットは武蔵貿易通関株式会社と株式会社ナベヤ様との共同開発製品です。
■エーテル系発泡ポリウレタン防振材の特長
・連続振動の減衰&衝撃吸収に対応。
・低周波の振動から衰减ができる。
・クリープ(経時的形状変化)が小さい。
・負荷や振動の性質に対応した20種以上の素材。
・30年以上の実績と信頼性。
・耐久性に優れ、長寿命。
--- エアサス車と防振パレットの比較 ---
■防振パレットの性能検証
・エアサス車の荷台に防振パレットをのせて実車走行試験を行う。
・エアサス車での高速走行時の21Hzの高周波の振動が十分に低減できた。
・エアサス車両以上に振動及び衝撃を抑える事ができた。
・以下実車走行試験をご参照ください。
---エアサス車走行と防振パレット使用走行との周波数の比較---
・エアサス大型車の荷台
時速 | 90km/h | 80km/h | 70km/h |
エンジン回転数 | 1410 | 1280 | 1110 |
周波数 | 24Hz | 21Hz | 18Hz |
減衰率約91.4%(1/10以下)
・防振パレットを使用した場合
周波数 | 2.4Hz | 2.1Hz | 1.8Hz |
--- 実車走行試験 ---
※以下は武蔵貿易通関株式会社と株式会社ナベヤ様との共同検証試験です。
防振パレットの防振効果を確認するためダミーウエイトを載せた防振パレット1台(防振パッド式)をトラックに載せて走行し、
防振パレットの下側(下パレット)と上側(上パレット)の振動加速度データを取得した。
■試験体
・パレット:1100×1100㎜(スチール製)
・防振パッド式防振パレット(GSM100 t50mmパッド)
・ウエイト:300kg
■搬送
・輸送トラック:エアサス車
・輸送距離:226km
■測定
・内容:トラック走行中の下パレットと上パレットの加速度を測定。
・測定器:3軸加速度ロガー ×2台(周波数分析ができる)。
・ロガー設置位置:上部の防振板と下部のパレット本体に1ずつ設置。
・測定範囲:±6G
・感度:200mV/G
■解析パラメータ
・窓関数:ハニング
・ライン数:2048
・平均化:加算平均
・サンプリング:1000Hz
■高速走行時の振動周波数分析結果
・青色のグラフが防振板の上の振動データ。
・緑色のグラフが防振されてないパレット上の振動データ。
--- 防振パレットによるワーク輸送試験 ---
※以下は武蔵貿易通関株式会社と株式会社ナベヤ様との共同検証試験です。
■防振パレット持ち上げ衝撃試験
【衝撃G値】
緩衝材無し→13.5G
エーテル系発泡ポリウレタン使用→3.0G
■防振パレット落下衝撃試験
【衝撃G値】
緩衝材無し→10.1G
エーテル系発泡ポリウレタン使用→0.8G
■防振パレット角衝撃試験
【衝撃G値】
緩衝材無し→15.4G
エーテル系発泡ポリウレタン使用→4.2G
■防振パレット片支持落下試験
【衝撃G値】
緩衝材無し→18.4G
エーテル系発泡ポリウレタン使用→2.1G
■防振パレットハンドリフト走行試験
【衝撃G値】
緩衝材無し→11.4G
エーテル系発泡ポリウレタン→0.8G
■防振パレットフォークリフト走行試験
【衝撃G値】
緩衝材無し→5.4G
エーテル系発泡ポリウレタン使用→0.8G
■上記振動、衝撃試験結果データ表
--- 防振フロアー ---
■防振パレット同様の防振性能をフロアー上にして仕様するタイプの製品
・トラックの荷台に敷いて高性能の防振効果。
・JRコンテナの床に敷いて走行中の振動を制御。
--- JRコンテナ振動輸送試験 ---
地球温暖化の一因とされるCO2排出問題で、
鉄道の活用がさらに注目されるようになったが、
振動に弱い製品(精密機械など)の輸送がなかなか実現しないなどの
問題を解決するために当社の防振パレットを使用し、JRコンテナ輸送を実現させる取り組みを行っている。
--- エアサス車荷台上の参考データ ---
--- 最適な防振効果のご提案で特許取得! ---
輸送製品重量に合わせて最適な緩衝効果を発揮できるよう緩衝材の部分を
簡易に交換できる技術で株式会社ナベヤ様と武蔵貿易通関株式会社で共同特許取得。
・緩衝設計 株式会社ナベヤ
・物流容器設計 武蔵貿易通関株式会社
防振パレット
特許出願番号:出願2020-080730
防振床装置
特許出願番号:出願2020-094948